パニック障害の発作は、深刻な恐怖感や身体的な症状を引き起こし、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
あなたの身近にもパニック障害で苦しむ人がいるかもしれませんし、自分自身がそのような状況に直面する可能性もあります。
そんな時、どのように対応すれば良いのか?
パニック障害を抱える人々との適切なコミュニケーションを取らなければ、誤解を生むこともあります。
私はパニック障害であることを一部の身内にしか打ち明けてなかったのですが、そんな近い存在でも打ち明けた当初は、投げ掛けられる言葉によっては、逆に苦しくなってしまうこともありました。
今回はパニック障害を持つ人に対して、避けるべき言葉遣いについて考察します。
かけてはいけない言葉
パニック障害を発症した人に「元気になってほしい」という心からの思いから出る言葉もあるでしょう。
しかしパニック障害は精神疾患であり、その特性を理解して適切な言葉を選ぶことが重要です。
パニック障害を持つ人々に対しては慎重に言葉を選び、避けるべき表現があることを認識する必要があります。
ここではパニック障害を持つ人に対してかけてはいけない言葉を紹介します。
「気にしすぎ」
パニック障害を持つ人々に対して「過剰に反応している」や「気にしすぎ」と言うのは、彼らの体験を軽視し、傷つける可能性があります。
このような表現は、精神的な困難を単なる感情の問題にすぎないと見なす傾向があります。
パニック障害は生物学的、心理的な要素が複雑に絡み合った状態であり、このように一面的な視点から理解しようとすると誤解を招くことが多いです。
「落ち着いて」
パニック発作の最中に「落ち着いて」や「深呼吸して」などと言われても、それはなかなか難しいのが現実です。
これは発作の最中には恐怖と不安が圧倒的になり、理性的な思考や行動が困難になるからです。
そのような状況で「落ち着く」ように言われると、自分が理解されていないと感じ、孤立感を増幅させる可能性があります。
「頑張れば克服できる」
「頑張れば克服できる」という表現もまた、パニック障害を理解する上で問題となります。
これは、パニック障害が意志の力でコントロールできるものという誤解を助長します。
パニック障害は医療的な治療や心理療法が必要な疾患であり、自己努力だけで解決するものではありません。
かけてもいい言葉
では、どのようにコミュニケーションを取ればよいのでしょうか。
それはまずパニック障害を持つ人の気持ちを理解し、対話を通じて支えてあげることです。
具体的には、以下のような表現を心がけるとよいでしょう。
「ゆっくり休んでね」
パニック障害の発作後、相手は肉体的、精神的にとても疲れていることが多いです。
「ゆっくり休んでね」と声をかけることで、自分のペースで休んでいいんだと思ってもらえます。
自分のペースでリラックスし、回復することができるように、思いやりを持ってサポートしてあげましょう。
「何も心配いらないよ」
パニック障害の人々は、発作の予測不可能性から恒常的な不安を抱えがちです。
「心配いらないよ」という言葉は、現在の状況で安心しても良いことを伝え、不安を和らげることができます。
自分を取り巻く環境や人々が安全であり、サポートを受けられるという理解と共感は、心の安定につながる重要な要素です。
「大丈夫だよ」
発作中や発作後には、「大丈夫だよ」という言葉が安定感を与え、その人を励ましてあげましょう。
この言葉は、相手に対して不安を和らげて自分を取り戻し、落ち着くことを促してくれます。
パニック障害の発作は非常につらいものであり、不安や恐怖が強くなることがあります。
「大丈夫だよ」という言葉をかけてあげると、相手に安心感を与えて、乗り越えられるという希望を感じさせます。
しかし、これはその人が安心感を得られる状況下でのみ有効であり、状況やタイミングによってはその人が理解されていないと感じる可能性もあるため、使いすぎには注意が必要です。
以上のように、パニック障害を持つ人々とのコミュニケーションには、適切な理解と配慮が必要となります。
発作が起きると不安と恐怖にとらわれてしまいますので、安心してもらうために気持ちに寄り添ってあげることが大切です。
落ち着かせるために、やさしく声をかけてあげましょう。
まとめ
パニック障害についての知識が不足していると、良かれと思って伝えた言葉が逆に傷つけてしまうこともあります。
もちろん理解が追い付かないことは当然と言えば当然なのですが、パニック障害についての理解が広がることで、パニック障害を持つ人々が感じる孤独感を軽減し、より適切な支援を提供することが可能になります。
対話の中で適切な表現を選び、パニック障害を持つ人が直面している困難を尊重することで、より深く理解し、より効果的にサポートすることができます。
パニック障害を理解し、サポートするための第一歩は、言葉のチョイスと他者を尊重することから始められることが良いのではなのでしょうか。
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