パニック障害と睡眠の関係性|睡眠の質を上げるには?

女性がベッドで寝ている様子 コラム

パニック発作は人が多い場所や電車内などで起こることが多いですが、実は「睡眠時」にも起こる可能性が高くなっています。

いわゆる「睡眠時パニック発作」というものです。

パニック障害を患っている人の約4割が睡眠時パニック発作を経験しているとされているため、決してレアケースではありません。

いったいなぜリラックスした状態である睡眠時に発作が起こってしまうのでしょうか?

この記事では、そんな「パニック障害と睡眠の関係性」について解説していきたいと思います。

睡眠時にパニック発作が起こる理由

パニック障害を患う人は、普段から人混みや逃げられない環境などには注意を払っていますが、睡眠時にはそこまで注意を向けないはずです。

しかし、冒頭でも挙げた様に約4割の確率で睡眠時パニック発作を経験するわけです。

なぜ睡眠時に発作が起こるのか。

その原因は、残念ながら不明となっています。

分かっているのは、「ノンレム睡眠時(大脳が休息している深い睡眠時)」に起こるということです。

約90分終期でレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されているので、一晩に何度か発作が起きやすくなるということになります。

特に睡眠時パニック発作が起こりやすいのは、睡眠開始から2から3時間以内であるといわれています。

睡眠時パニック発作の症状

睡眠時に起こる発作は、過呼吸や発汗といった一般的な発作症状の他に大声で叫んだり激しく体を動かすといった症状が現れることもあります。

自身でパニック発作に陥っている自覚はあまりなく、細かく思い出せないケースがほとんどです。

そのため、暗闇の中立ち上がり動き回ることで怪我をするケースも多くなってしまいます。

原因である可能性があるストレスや疲れを軽減させる工夫

前述した通り、睡眠時パニック発作の明確な原因はわかっていないものの、ストレスや疲れが原因である可能性は高いとされています。

そのため、日常生活の中でストレスや疲れを溜めないことを意識するべきだといえるでしょう。

具体的には、以下のような工夫が有効となります。

①運動習慣を作る

運動は慢性的なストレスに対して非常に優秀なツールとなります。

あまりに激しい運動は逆に発作を引き起こす可能性があるため推奨できませんが、ジョギングといった適度な運動習慣はとてもポジティブな影響を及ぼします。

運動することで心拍数が上がりますが、これにより脳への血流を増加させるといった効果が得られます。

ストレスが溜まると脳の血液量が低下するとされているので、運動によって状況を改善できるわけです。

他にも、ドーパミンやセロトニン、エンドルフィンといった幸福感を司る神経伝達物質を分泌させることもできるため、ストレス対策には最適なのです。

例えば週に3回~4回程度でも良いので、30分から40分のジョギングを行うことで睡眠時パニック発作の予防が行えるということです。

②寝る前に部屋を換気する

熟睡できる寝具を揃えたり、入浴後体温が下がるタイミングで就寝したりなど、睡眠の質を高める工夫を行っている人も多いかと思いますが、寝る直前に部屋の換気を行っている人は少ないはずです。

しかし、換気をすることは「睡眠の質を大幅に上昇させる効果」が期待できるのです。

パニック発作は、体内の二酸化炭素量が増えることで起こる確率が上がります。

そのため、寝る直前に換気をして寝室の酸素量を増やすことは睡眠の質を上げるのにとても効果的となります。

窓を全開にする必要はなく、5分程度でも20㎝~30cm窓を開けておくだけで寝室の酸素濃度が上がります。

真冬などは夜に窓を開けるのは厳しいですが、2分~3分だけでも良いので換気するべきです。

室温が下がってしまったならば、換気後暖房機器で多少温度を上げてから寝ると良いでしょう。

③寝る直前にデジタル機器を使用しない

現代はネット社会であり、スマホは生活に欠かせないものになりましたよね。

しかし、寝る直前までスマホを操作してしまうと、ブルーライトや眼精疲労、脳の疲労、血流悪化などにより睡眠にも悪影響を及ぼします。

寝る直前までスマホを操作している人の中には、「なかなか寝付けない」といった経験をしたことがある人が多いはずです。

また、寝る直前にSNSやネットニュースなどをチェックした時に、不安を感じるようなニュースなどが目に飛び込んでくる可能性があります。

そうなれば、精神的に不安を感じてしまい、余計に寝つきが悪くなってしまうのです。

そのため、就寝時間の1時間前(最低でも30分前)までにスマホの使用をやめて、デジタル機器から離れた状態で就寝した方が良いといえるでしょう。

まとめ

今回は、「パニック障害と睡眠の関係性」について解説してきました。

パニック発作は日中に人が多い場所や電車やエレベーターといったなどの乗り物で起こることが多いですが、就寝中に起こる可能性も意外に高いのです。

ぜひここで挙げた睡眠の質を上げる方法を実践し、なるべく安眠できるような環境を作るようにしましょう。

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