パニック障害を抱えながら子育てをする不安とその対処法

不安な様子の女性イラスト コラム

パニック発作を人生で1度でも体験したことがある人の割合は、10%~12%程度だといわれています。

さらにそのうちの25%~35%の人たちは何度もパニック発作を繰り返し「パニック障害」を患ってしまうと考えられています。

つまり、意外にも身近な障害であるということなのですが、それは子育てをしている人たちも患っている(もしくは新たに患う)可能性がそれなりにあることを意味しています。

ただでさえ大変な子育てをパニック障害を抱えながら進めていかなければならないため、様々な不安を抱えてしまいがちなのです。

この記事では、そんな「パニック障害を抱えながら子育てをする不安とその対処法」について解説していきたいと思います。

パニック障害を抱えながら子育てをする不安

パニック障害は、以下のような症状が現れます。

  • 呼吸困難による息苦しさ
  • 心臓の鼓動が早まる
  • めまいやふらつき
  • 腹部の不快感
  • 自分が自分ではない感覚(離人感)
  • 吐き気や手足の冷え、震え

このような状況が突然起こることもあるので、パニック障害を患っている人は常に不安を抱えた状態で暮らさなければならないのです。

パニック発作だけでなく、「また発作が起きるのではないか」といった不安を持つ「予期不安」や発作が起きた時にすぐに逃げ出せないような状況で恐怖を感じてしまう「広場恐怖」などを感じることもあります。

それゆえに、バスや電車、車などに乗ることにも恐怖を感じるようになり、エレベーターやオフィスなどでも不安感が大きくなってしまうのです。

具体的に起こりえる事例

パニック障害を患っているケースでは、子育て中にパニック発作が起きることもあります。

具体的な事例を挙げてみましょう。

事例①子どもをレジャースポットに連れて行く際に発作が起きる可能性がある

幼児や小学校低学年の子どもがいるならば、定期的にレジャーに出掛ける必要がありますよね。

配偶者に連れて行ってもらう選択肢もありますが、毎回任せるわけにもいかないので、自身が連れて行くこともあるでしょう。

しかし、パニック障害を患っているケースでは、人が多くいるレジャースポットにおいて発作が起きる可能性が高まります。

発作が起こってしまえば、子どもの面倒を見ることは不可能になり、自身の発作に対処するのに精一杯となってしまいます。

配偶者が一緒にいれば子どもを任せられますが、自分1人だった場合には子どもを不安にさせてしまいますし、自身も呼吸が苦しくなり命の危機を感じてしまうことでしょう。

事例②子どもの遠足に同行したり説明会に参加する際に発作が起こる可能性がある

基本的に子どもは日中に幼稚園や保育園、学校に行っているわけですから、パニック障害を抱えていても問題はありません。

しかし、例えば幼稚園や保育園では遠足に親が同行するケースもあるため、必然的にバスに長時間乗るシチュエーションになります。

遠足の場所によってはバスで2時間近くかかるケースもあるので、パニック障害を患っている人にとってはかなり厳しいといえるでしょう。

また、幼稚園や保育園、小学校の説明会などにも参加しなければならないことがあるでしょう。

1つの教室などに大人数が集まり、30分以上参加しなければならないため、発作が起こってしまう可能性もあります。

パニック障害を抱えながら子育てをする不安への対処法

前述したように、子育て中にはパニック発作を起こす可能性が高まるシチュエーションが多くなります。

何も対策なく過ごしてしまうと、発作を起こし大変な状況に陥る可能性もあるでしょう。

そのため、いくつかの対策を用意しておくことがとても重要となります。

パニック障害を患っている人は、常に「発作が起こった際の対処法」を用意しておくべきです。

用意しておくことで安心感が生まれ、結果的に発作が起こりにくくなります。

①「パニック障害を患っていて子どもがいることを示した紙を用意しておく」

発作が起きた時のリスクとして、「子どもを面倒見る人が一時的にいなくなってしまう」「発作が止まらず苦しい状況が長引いてしまう」という2つが挙げられます。

自身がパニック障害を患っていて、子どもがいることを示した紙を用意しておくことで、発作が起きた際に声に出さずとも第三者に現状を伝えることができます。

子どもに声をかけ面倒を見てくれたり、発作が収まりやすいように落ち着ける場所に移動させてくれたりなどの助けが受けやすくなります。

②子どもに自身がパニック発作を起こすかもしれない事実を伝えておく

発作を起こした際に呼吸がしやすい体勢になったり、呼吸の仕方(息を4秒吸って4秒止め8秒かけて吐く)を覚えておくなどの対処法を覚えておくことも重要ですが、「子どもに発作が起きる可能性があることを伝えておくこと」も非常に重要です。

さすがに3~4歳くらいまでの子どもでは理解できませんが、5歳以上の子どもであれば、「苦しそうだけど時間が経てば落ち着く」ということくらいは覚えていられるでしょう。

発作が起きたとしても子どもが焦ることなく、周囲の人に助けを求めたり水筒の水を親に差し出したりなど、戦力として動いてくれる可能性もあります。

戦力にならない場合でも、焦らずに近くにいてくれるだけで親としては安心できるはずです。

まとめ

今回は、「パニック障害を抱えながら子育てをする不安とその対処法」について解説してきました。

ここで挙げた対処法をしっかりと覚え実践できるようにしておけば、パニック障害を患っていたとしても子育てが可能となることでしょう。

パニック障害を患っていて子育てが不安だという人は、ぜひ参考にしてみましょう。

参考記事:パニック障害とヘルプマーク|正しい書き方と活用方法

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