パニック障害に悩んでいる人は、「どうしたらこの疾患を改善することができるのだろうか?」と日々悩んでいるはずです。
発作が起きそうな状況化を避けることで生活ができればまだマシですが、予期せぬ場所やタイミングで発作が起きることもあり、安心して生活が送れていない人もいることでしょう。
ネット社会である現代では、様々な情報が目や耳に飛び込んでくるかと思います。
そんな数ある情報の中で、「潜在意識を書き換えればパック障害を治せる」といったものを目にする機会もあるかもしれません。
この記事では、そんな「パニック障害と潜在意識の関係と発作を起こさせない上手な関り方」について解説していきたいと思います。
潜在意識とは?
「潜在意識」という言葉自体は暮らしの中で何度か耳にしたことがあるはずです。
しかし、潜在意識がどのようなものなのか、具体的に理解している人は意外と少なかったりします。
まずはわかりやすく説明してみましょう。
意識には「顕在意識」と「潜在意識」の2種類がある
我々人間の意識に種類があることをご存じでしょうか?
1つは「顕在意識(けんざいいしき)」で、もう1つが「潜在意識」です。
顕在意識は、簡単にいえば「人間が意識的にコントロールできる意識」となります。
- 「買い物に行こう」
- 「筋トレをしよう」
- 「○○をデートに誘おう」
このような意識は、すべて人間がコントロールできる意識となります。
これに対して潜在意識は、我々人間がコントロールできない意識となります。
- 歩くという行為(右足を出してから次に左足を出すということをいちいち考えない)
- 椅子に座る行為(座席部分に腰を掛けて座りデスクの方に体を向けようとは考えない)
このように、無意識で行っていることはすべて潜在意識が主となっているわけです。
顕在意識は潜在意識と比べるととても少ない
初めて意識に種類があることを知った人に、「顕在意識と潜在意識の割合はどれくらいだと思うか」と尋ねると、多くの人が「顕在意識が90%くらいで潜在意識は10%くらいかな」と答えます。(割合に違いはあれど顕在意識の方が多いと考える)
しかし、実際には「顕在意識が3~10%程度で潜在意識が90%~97%程度」なのです。
そう、我々人間は潜在意識を基に生活しているのです。
心理学などでは、この2つの意識を説明する際によく「海に浮かぶ氷山のイラスト」が使われます。
海上に出ている氷山が顕在意識で、水面よりも下に沈んでいる氷が潜在意識です。
実際の海のように、海上に出ている氷山は全体のほんの一部であり、そのほとんどは海面の下に沈んでいるのです。
パニック障害の克服に潜在意識はあまり関係ないと言われるが…
前述した説明で、大まかに潜在意識がどのようなものであるかお分かりいただけたかと思います。
それを踏まえた上で、まずは一般的なそれこそ顕在的な視点でパニック障害の克服と潜在意識の関係についてまとめてみます。
パニック障害を治すためにネットなどで調べてみると、いくつか「潜在意識」というワードが出てくるケースもあります。
潜在意識は直接変えることはできないのですが、徐々に変化させていくことが可能です。
人によっては、「潜在意識を変えることでパニック障害を治すことができる」と主張しているケースもある。
しかし、実際にはそのような化学的な根拠もありません。
パニック障害は、以下のような方法で改善、治療をしていくしかない。
- 運動療法(有酸素運動やヨガ、筋トレなど)
- サプリメント療法
- 薬物療法(抗うつ薬や抗不安薬)
- マインドフルネス療法
この中でも特に薬物療法や運動療法は、とても効果の高い治療であると考えられています。
そのため、上記の治療法以外で「パニック障害を治せます」といった甘い言葉を受けたとしても、それは時間の無駄(有料だったとしたならば経済的損失)になってしまうため、避けた方が良いといえます。
潜在意識を書き換えること自体はポジティブな変化をもたらせる可能性がある
パニック障害を潜在意識を書き換えることで治すことはできない。
しかし、明確にはされていないものの、パニック障害がストレスが要因になっている可能性が高いことを考えれば、潜在意識を書き換えてストレスを溜めにくくすることでポジティブな影響は及ぼせるのも確かでしょう。
気休め程度かもしれませんし、もしかしたら意外と大きな影響を与えられるかもしれませんので、興味のある方は実践してみることも一つの選択肢になるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、「パニック障害と潜在意識の関係と発作を起こさせない上手な関り方」について解説しました。
パニック障害の治療、改善と潜在意識の関係には、科学的根拠はありません。
しかし、潜在意識を上手に書き換えることができれば、ストレスに関わる部分を改善できる可能性があり克服への道筋を示せるかもしれません。
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