パニック障害が起こりやすい「会議室」という環境への対策

近年パニック障害という言葉の認知度も高まり、知識を持つ人も増えてきています。

全人口の約2%~4%程度が人生において1度はパニック障害を患うと言われているため、皆さん自信もしくはその周囲にパニック障害を患っている人がいても決して珍しくはありません。

パニック障害は、仕事にも大きな影響をもたらします。

特に「会議室」という環境下においては、パニック発作が起こりやすいのです。

この記事では、そんなパニック障害が起こりやすい「会議室」という環境への対策について解説していきたいと思います。

会議室でパニック発作が起こりやすい理由

パニック障害に関する知識をまだ持っていない人からすると、「なんで会議室でパニック発作が起こりやすいの?」と疑問に思うかもしれません。

その原因となるのは、「広場恐怖」というものです。

広場恐怖は、「人混みや閉ざされた空間」に身を置く状況下で大きな不安を感じ、発作が起きやすくなることです。

良く知られている場所としては、お祭りや花火大会といった人混みや電車、バス、エレベーターといった公共機関でです。

こうした場所に身を置くと、その場から離れたくてもすぐには逃げられず、その状況が不安感を増大させます。

そして、「会議室」に関しても同じように人が多く逃げられない状況下であるため、同じようにパニック発作が起こりやすいのです。

パニック障害は発症原因が未だ解明されていない疾患ではありますが、前述したような人混みや閉ざされた空間、そして日々のストレスが大きく関わっている可能性が極めて高いのです。

会議室で我慢している社会人は多い

冒頭で挙げた通りパニック障害の利かいは広まっていますが、それでもまだまだ知らない人の方が多く、障害を抱えている本人も後ろめたさから周囲に公表しないケースもあります。

それゆえに、実際に社会人として働きながら会議はギリギリ我慢しているという人も多いのです。

日本人は世界でも「会議好き」として知られています。

それほど重要ではない案件であっても会議をする傾向にありますし、必要な人材が集まるのではなく「全員参加」が義務のようになっている会社もあります。

それはすなわち、パニック障害を抱えている人にとって日本の企業はかなり働きにくい環境であるわけです。

「会議室」という環境への対策

残念ながら現時点ではまだまだパニック障害への理解は完全に浸透しているとはいえません。

それゆえに、自分自身で積極的に対策を行う必要があるといえるでしょう。

具体的に実行可能な対策としては、以下のようなことが挙げられます。

①上司や同僚にパニック障害を抱えていることを告白する

一昔前であれば、もしかしたら「パニック障害を抱えている」と告白したならばネガティブな印象を抱く人が大多数だったかもしれません。

しかし、冒頭でも挙げたように、確実にその認知度は高まっていて、告白することで配慮してくれるケースも多くなっています。

  • 定期的に小休憩を挟んでくれる
  • 会議室の出入口に近い席に座らせてくれる
  • 会議中に表情をチェックしてくれる(辛そうなら声掛けをしてくれる)
  • 参加しなくても良い会議には無理に参加させない

具体的にはこのような対策をとってくれるようになるかもしれません。

②事前に薬の服用や発作が起こりそうな時の対策グッズを用意する

パニック障害を患っていて通院していれば、抗不安薬を処方されているはずです。

会議が始まる直前に抗不安薬を服用することで、パニック発作が起こるリスクを減らすことが可能となります。

また、ハーブティーやコーヒー、グレープフルーツジュースなどのリラックス効果を高めてくれる飲料を会議の際に用意したり、アロマオイルを染み込ませたハンカチを用意し会議の合間に汗を拭くふりをして匂いを嗅いだりといった対策も有効となります。

③別の場所に意識を向ける

パニック障害は、「逃げられない空間にいる」という意識や「発作が起きてしまったらどうしよう」という不安が発作の引き金となります。

会議の内容に集中できていれば、不安感を抱くことなく参加できますが、一度でも不安を感じてしまうと意識がパニック発作への恐怖に向いてしまいがちです。

そこで、「会議室から見える物に意識を集中させる」という方法が有効です。

例えば、会議室の窓の外に見える木や建物に意識を向けたり、会議室の中にある特定の物に意識を向けるという方法です。

こうすることで、意識がパニック発作から別の物に変わるため、発作のリスクが軽減するのです。

まとめ

今回は、パニック障害が起こりやすい「会議室」という環境への対策について解説してきました。

電車やバス、エレベーターだけでなく、「会議室」という環境下もパニック発作は起こりやすいといえます。

もしも自身もしくは仲の良い同僚がパニック障害を抱えているのであれば、ぜひここで挙げた対策が助けになるかもしれません。

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