パニック障害を患っている人が旅行に行く際の対処法

日常的に発作が起きる「パニック障害」は、生活への不安が高まりやすいといえます。

電車やバス、エレベーターといった逃げられない空間では、「発作が起きたらどうしよう」といった不安感が増してしまいます。

いつ発作が起きるか分からないため、例えば「旅行」に行く際も気を付けなければなりません。

この記事では、そんな「パニック障害を患っている人が旅行に行く際の対処法」について解説していきたいと思います。

旅行はパニック発作が起こる可能性が高まる

病気や障害を抱えていない健康な人であれば、「旅行は楽しいもの」といったイメージが強いはずです。

パニック障害を抱えている人も同様に楽しみな気持ちもあります。

しかし、それ以上に「力御先でパニック発作が起きるかも」といった不安感も大きくなってしまうものです。

パニック障害は、厳密にはその原因が判明していません。

とはいえ、精神的なストレスや不安感が大きく関連していることは明白であり、普段の生活とは違う環境に身を置く旅行は、楽しい気持ちになれるためストレスは解消できるかもしれませんが、大小のトラブルが起きる可能性が高いため「不安感」が必然的に大きくなります。

海外旅行であれば、「外国語での会話ができるのか」「
治安は悪くないか」「飛行機やバス、タクシーなど交通機関に問題なく乗れるか」「慣れない環境で病気やけがをしないか」といった不安を感じるはずです。

また、国内旅行では言語の不安は感じないものの、それ以外の不安感は同様に感じるはずです。

そしてなにより、観光地など必然的に大勢の人が集まる場所で発作が起きた時、「注目されてしまうかもしれない」といった不安感はとてつもなく大きくなります。

普段とは違った環境下では、どうしても不安感が増すためパニック発作は起きやすくなります。

しかし、だからといって何年も旅行に行かないというには、かなりもったいないですよね。

それでは、可能な対処法を具体的に挙げていきましょう。

パニック障害を抱えている人は、一人旅はかなりリスキーです。

発作が起きた時に周囲に人がいない可能性もありますし、いたとしても赤の他人であるため助けてくれるとは限りません。

また、「大丈夫ですか？」と声をかけてくれたとしても、その段階ではパニック発作を起こしていると判断できないことがほとんどであり、正しい対処法を実践できない可能性が高いはずです。

しかし、家族や親しい友人などであれば、パニック発作が起きた際にも慌てることなく対処できます。

このような対処法を一緒に旅行に行っている家族や友人が行うことで、発作は悪化せず短時間で落ち着くはずです。

そのため、旅行に行く際は1人旅ではなく家族や親しい友人（可能であれば3人以上）で行くようにすると良いでしょう。

パニック障害は、「相手がパニック障害を知らないケース」が一番不安感が増してしまうものです。

「急に発作が起きたら迷惑が掛かるかも」という「予期不安」を感じてしまうからです。

しかし、飛行機や宿泊施設などでは、パニック障害に配慮した所も数多く存在します。

例えば航空会社の「ANA」では、パニック障害であることを事前に知らせることで座席を指定できます。（混雑時には指定できないこともある）

トイレの近くや窓際などを指定できれば、発作が起きそうな時に意識を外に向けられます。

宿泊施設も、事前に施設側に連絡し配慮してもらうことで、発作が起きにくい環境で過ごせるはずです。

パニック障害は、「静止している状態」が非常に良くありません。

人間は静止していると余計なことを考えてしまうものです。

余計なことを考える状態では、「発作が起きたらどうしよう」という考えが浮かんでしまいます。

「もしかしたら発作が起きるかも」と予兆を感じたならば、「一緒に旅行に来ている家族や友人と話をする」、「日記などを書く」というように何かしら行動を起こすことをおすすめします。

また、最も有効なのは、「体を動かすこと」です。

旅行ではのんびりと歩いたり、立ち止まって楽しむ時間が多いですが、予兆を感じたならばジョギングやランニングをするなど体を動かすのです。

体を動かすことで、セロトニンが分泌されて脳内のネガティブな感情が改善される可能性が高まります。

今回は、「パニック障害を患っている人が旅行に行く際の対処法」について解説してきました。

パニック障害を患っている人は、旅行に行くことに対して不安を感じるケースもあります。

しかし、ここで挙げた対処法を実践することで、そのリスクを大幅に軽減させることができます。

ぜひ「パニック障害だから旅行には行けない」と諦めるのではなく、事前にしっかりと準備をして無理のない旅行計画を立てましょう。