パニック障害には、ジョギングなどの軽い運動が効果的と考えられていることはご存知でしょうか?
ジョギングは心肺機能を強化し、ストレスを軽減し、全体的な気分を向上させる効果があります。
それによりパニック障害の症状を軽減し、日常生活の質を向上させるのに役立つと考えられています。
この記事ではパニック障害とジョギングの関係性についてご紹介していきます。
ジョギングの効果について
ジョギングの効果については、以下のようなことが挙げられます。
心肺機能の強化
ジョギングは有酸素運動の一種ですので、実施することで心臓と肺を強化します。
パニック障害の人々は、発作により呼吸困難や心拍数の増加を経験しますが、ジョギングによる心肺機能の強化は、これらの症状を軽減するのに役立ちます。
ストレスの軽減
ジョギングはストレスを軽減する効果があります。
運動すると体はエンドルフィンという化学物質を放出します。
これは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を高揚させストレスを軽減してくれることがわかっています。
パニック障害を抱えている人は、高いストレスレベルを経験することが多いため、ジョギングによるストレスの軽減は非常に有益です。
気分の向上
ジョギングをすることで全体的な気分を向上させます。
これはエンドルフィンの放出によるものだけでなく、運動による自己達成感や、自然の中で運動することによるリラクゼーション効果によるものです。
パニック障害の人々は不安や恐怖感に苦しむことがあるため、ジョギングによる気分の向上は症状の緩和に役立ちます。
科学が証明するジョギングの効果
抗うつ剤と同程度の効果
運動がストレスを軽減し、うつ病の症状を改善することは多くの科学的研究によって証明されています。
例えばJournal of Affective Disorders誌の論文(抗うつ薬とランニング療法:うつ病・不安障害患者の心身の健康に対する効果の比較)では、定期的な運動が抗うつ薬と同等の効果を持つことが示されています。
また、運動がレジリエンス(逆境に強い心)を増やし、不安に強くなる効果があることも、心理学の研究によって示されています。
参考記事:日経メディカル
ジョギングを定期的にすることでメンタルヘルスに寄与
ジョギングが心の健康(メンタルヘルス)に対する多大な利益をもたらすことは、科学的な研究によって裏付けられています。
例えば、保健指導リソースガイドでは、定期的な運動やジョギングがうつ病の症状を軽減することが示されています。
また運動を習慣として続けている人は、運動をしていない人に比べて1ヵ月間に気分が優れないと感じる日数が平均して1.49日(43.2%)少なかったという結果も出ています。
パニック障害を克服するためのジョギングの方法
強度の高いインターバルトレーニング(HIIT)とパニック障害
新たな研究では、パニック障害の人が強度の高いインターバルトレーニング(HIIT)により症状の改善が見込めることがわかっています。
HIITは、高強度と低強度の運動を交互に行う運動方法で、心肺機能を向上させ脂肪を燃焼させるのに効果的です。
実際のHIITメニューの例
- まず、5分間のウォーミングアップを行います。ゆっくりとしたウォーキングや軽いジョギングなどで、心拍数を徐々に上げていきます。
- 次に30秒間の全力疾走を行います。これがHIITの「高強度」の部分です。全力疾走中はできるだけ速く走るようにします。
- 全力疾走の後は、1分間のゆっくりとしたウォーキングを行います。これがHIITの「低強度」の部分です。心拍数を落ち着け、呼吸を整える時間になります。
- この「30秒間の全力疾走 + 1分間のゆっくりウォーキング」を10セット繰り返します。
- 最後に5分間のクールダウンを行います。ゆっくりとしたウォーキングやストレッチングなどで、心拍数を徐々に下げていきます。
このように、HIITは高強度と低強度の運動を交互に行うことで、短時間で効率的に運動することができます。
パニック障害に効果的だといわれているトレーニングですが、身体に負担をかける激しいものなので実践するときは、必ず主治医などに相談してからにしてください。
ジョギングによるパニック障害の改善事例
ジョギングはパニック障害の症状を管理し、日常生活を改善するための有効なツールであることが示されています。
ジョギングで症状軽減した報告がある
ジョギングを始めてから、多くの人々がパニック障害の症状が軽減したとの報告があります。
例えば、ある人はジョギングを始めてから心拍数が安定し、パニック発作が減少したと述べています。
また、別の人はジョギングにより深呼吸が容易になり、パニック発作中の呼吸困難が改善したと報告しています。
ジョギングを続けることで体力が向上し、それが自信となりパニック障害と向き合う力になったという報告もあります。
これらの事例から、定期的なジョギングがパニック障害の症状を軽減し、より健康的で穏やかな生活を送るための一歩となることがわかります。
まとめ
パニック障害を改善するための有効な方法の一つとしてジョギングはおすすめです。
ジョギングは心肺機能を強化してくれる身体的効果と、ストレスを軽減し、全体的な気分を向上させる心理的効果があります。
しかし個々の状況や健康状態により、最適な運動方法や強度は異なりますので、始める前には主治医と相談することをおすすめします。
ジョギングを通してパニック障害と上手に向き合い、より健康的な生活を送る一助となることを願っています。
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