パニック障害はいつ誰が発症してもおかしくない身近な精神疾患です。
自身がパニック障害を患うかもしれませんし、配偶者が発症してしまうかもしれません。
もしも配偶者がパニック障害を患ったことで結婚生活に大きな支障が出てしまったとしたならば、「離婚」という文字も頭に浮かぶことでしょう。
しかし、「配偶者の精神疾患を理由に離婚はできるのかな?」と疑問に思う人もいるはずです。
この記事では、そんな「パニック障害を患った配偶者と離婚はできるのか?」という疑問について解説していきたいと思います。
配偶者のパニック障害を理由に離婚をすることは難しい
結論から先にいうと、配偶者がパニック障害を発症しそれにより結婚生活が上手くいかなくなったとしても、簡単には離婚できません。
民法770条1項には、以下のようなものがあります。
- 配偶者に不貞行為があった時
- 配偶者から悪意で遺棄された時
- 配偶者の生死が3年以上明らかでない時
- 配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがない時
- その他婚姻を継続し難い重大な事由がある時
この中で注目すべきは「配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがない時」という条文です。
「強度の」精神病ということで、パニック障害の場合はこれに当てはまらない可能性が極めて高くなります。
また、「回復の見込みがない時」という条文も関係します。
パニック障害は、長年治療を続けることで約30%の人が完治するとされていますし、40%~50%の人は症状を軽減しながら通常通り暮らしていくことができます。
そのため、パニック障害を理由に離婚をするのは難しいというのが現実です。
ただし、「絶対に離婚できない」というわけではありません。
- 治療期間が長期に渡り、それでも改善されない
- 治療に関して全面的な協力を行ってきた
- 離婚後の生活の保障
これらをクリアすることができれば、離婚を成立させることが可能となります。
離婚以外の選択肢
配偶者のパニック障害で暮らしがネガティブに変化している場合、「離婚」という選択肢がべsとであると考える気持ちもわかります。
しかし、前述した通りパニック障害を理由にして離婚するのはかなり難しいのが現実です。
そこで、「離婚以外の選択肢」もいくつか考えておく必要があります。
①別居をする
パニック障害を患っている人の約半数が、うつ病も患うといわれています。
そのため、同じ屋根の下で暮らしていくことでお互いの幸福度が下がるケースも非常に多くなります。
それゆえに離婚を望むようになるわけですが、最初のステップとして「別居をする」という方法を選ぶのも「あり」かもしれません。
パニック障害は、いつ発作が起こるかわからないので、1人でいる時間が短い方が環境的には安心できます。
別居をして実家に帰っていた方が、パニック発作が起こったとしても家族の誰か(30代以上ならば親世代)が在宅の場合が多いはずです。
家庭内がギスギスした状態で、さらにパニック障害の配偶者を家に残し会社に働きに出るとなると、親世代が同居していなければ家に1人キリとなってしまう時間も長くなります。
そうしたリスクを回避するためにも、別居は有効だといえます。
同じ血の通った家族と暮らした方が、精神的にも気楽になり、症状が緩和される可能性もあるでしょう。
②住んでいる環境よりも静かな環境の地域に引っ越す
パニック障害を患いうつ病なども併発していると、一緒に暮らすことが難しくなっていきます。
しかし、元々愛し合って結婚した仲ですから、そうした精神疾患を改善できれば離婚せず夫婦生活をやり直すこともできるはずです。
「ラストチャンス」と捉え、思い切って現在住んでいる地域よりも自然が多く静かな地域に引っ越すという選択肢を実現させるのも悪くないかもしれません。
さすがに仕事を辞めて移住するのはリスクが大きすぎるので、転職しなくても良い地域内でなるべく自然の多い場所を選びます。
木々の生い茂る自然を感じられる場所は、ストレスを大幅に軽減させるということがわかっています。
そうした場所で暮らすことで、パニック障害やうつ病といった精神疾患が良い方向に向かう可能性もあります。
上手くいっていない環境で暮らし続けてしまえば、より気持ちが沈んでしまいお互いに悪影響を及ぼします。
引っ越しを行うことで、新鮮な気持ちになれますし、コミュニケーションを取りながら新たに環境を整える作業が必要となるため、関係性が好転する可能性もあるわけです。
まとめ
今回は、「パニック障害を患った配偶者と離婚はできるのか?」という疑問について解説してきました。
パ肉障害を患っているは、うつ病などその他の精神疾患を患うケースが多くなります。
それゆえに、離婚をしたくなるほど関係が悪化するケースもあります。
しかし、ここで挙げたようにパニック障害だけでは離婚できない可能性が高いというのが現実です。
そうした悩みを抱えている人は、ぜひここで挙げた「離婚以外の選択肢」を試してみてはいかがでしょうか?
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