パニック障害を抱える人が苦手な場所はとても多いです。
電車やバスといった公共の乗り物や自家用車、エレベーター、会議室、歯医者に美容室など、挙げればキリがないほどです。
そしてパニック障害を抱える10代の子に関しても、「学校」という場所自体が苦手な場所となってしまうケースもあります。
そこで有効な手段となるのが、「通信制高校に通う」という選択肢です。
この記事では、そんなパニック障害を患っている人に有効な「通信制高校」という選択肢について解説していきたいと思います。
パニック障害を患い学校に通えなくなる子も多い
パニック障害を抱えることで日常生活に影響が及ぶことは広く知られていますが、「学校」に関してもそれは同様です。
教室での授業は、「逃げられない空間」という環境になります。
実際には発作が起きそうになったら先生に報告し退室することも可能ですが、30人規模の生徒が授業を受けている最中に「先生!」と切り出すのはとても勇気のいることであるため、実質は逃げられない空間に極めて近いといえるのです。
それゆえに、実際に発作が起きてしまうケースもありますし、予期不安によって学校に行くことをためらってしまうケースもあるでしょう。
学校に通えていたとしても、「いつ発作が起きるか分からない」という不安を常に抱えながら過ごさなければならないため、大きな精神的負担となってしますのです。
通信高校のメリットとデメリットを良く理解することが重要
前述したように、パニック障害を患っている子がが高校に通い続けるのはなかなかに厳しいといえます。
無理に通い続ければ症状が悪化する可能性もありますし、うつ病の併発というリスクもあるため、「通信高校に編入する」という選択肢が有効となります。
しかし、一概にメリットのみではないため、しっかりとメリットデメリットの双方を理解した上で決断する必要があるといえるでしょう。
通信高校に通うメリット
それでは、通信高校に通うメリットから挙げていきましょう。
①学校に行く機会が少ない
1度の登校せずに卒業することはできませんが、一般的な高校と比べると圧倒的に登校する機会は少なくなります。
それゆえに、学校というパニック障害を患う人にとってリスクある環境を避けることが可能となります。
それまで高校に通うことで定期的に発作が起きてしまっていた人も、通信高校に通うようになることで発作を起こすことなく過ごせるようになるのです。
②自分のペースで勉強を進められる
通信高校では、月に複数回のレポート提出や試験があるものの、基本的には一般的な高校よりも自由度が高くなります。
自分のペースで勉強が進められるので、「発作が起きそうだな」という時にはしっかりと心身を休めることもできるわけです。
通信高校に通い自分のペースで勉強が進められる力が身につけば、将来的にもその能力が役に立ちます。
人間が生きていく上で「自身を律すること」はとても重要であるため、10代のうちにそうしたことを経験できるのはとても多きことだといえるでしょう。
③費用面が安い
これはパニック障害とは直接関係はありませんが、「費用が安い」というのも通信高校のメリットとして挙げられます。
経済的に困窮している家庭であれば、パニック障害への好影響と併せて嬉しいポイントだといえるでしょう。
通信高校に通うデメリット
次に、通信高校に通うデメリットを挙げていきます。
①自分自身で勉強のペースを組み立てる必要がある
学校に通わなくて良い反面、勉強のペースは自身で組み立てなければなりません。
ある程度自分を律する力がなければ、ゲームやYouTubeなどに没頭して勉強できなかったなんてことにもなりかねません。
実際に途中で挫折し卒業できな人もいます。
そのため、「絶対に卒業する」という強い決心と「大学に行く」といった目標を掲げる必要があるといえるでしょう。
②人と関わる機会がかなり少なくなる
パニック障害を抱える人にとって人との関りはデメリットとなる可能性もありますが、人が生きていく上で人との関りはとても重要です。
パニック発作が起きそうな場面を避け続けるも実は良くないのです。
通信高校に通うことで卒業はしやすくなるものの、人間関係を構築するスキルが低くなるため、卒業後に苦労する可能性もあります。
そうならないように、高校は通信制であってもそれ以外の時間で人と接する機会をしっかりと作る必要性があるといえるでしょう。
まとめ
今回は、パニック障害を患っている人に有効な「通信制高校」という選択肢について解説してきました。
もしも通っている高校でパニック発作が起きてしまったことがある(もしくは起きそうになったことが度々ある)ならば、「通信高校」という選択肢も検討すべきです。
安易に決めてしまうのはいけませんが、しっかりとメリットとデメリットを踏まえた上で通信高校の方が良いと判断できるならば、それがベストな判断であるといえるでしょう。
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