パニック発作を一生に1回でも経験する人は、およそ9人に1人といわれています。
そしてその中のおよそ25%~35%程度の人は、その後何度も発作を繰り返すようになるようです。
全人口の1.5%~4.7%で起こる障害であるため、非常に身近であるわけです。
しかし、残念ながらその原因については明確に分かっていません。
パニック障害になりやすい傾向があり、そこに「ストレス」が大きく関わっている以上は、「ストレスの少ない暮らし」がとても大事であると考えられます。
この記事では、そんな「パニック障害を予防するためのストレスの少ない暮らし」について解説していきたいと思います。
パニック障害になりやすい人の特徴
パニック障害に陥る人には、ある程度の「傾向」があるようです。
・精神的に余裕のない状態の人
・真面目な性格で生活や仕事でストレスを感じてしまう人
・人間関係で問題を抱えストレスを溜めている人
・感受性が強くストレスを溜めやすい人
・精神的だけでなく肉体的にも疲れている人
いかがでしょうか?
もしも複数当てはまっていたとしたならば、今現在パニック障害を患っていなくても今後患う可能性があるといえます。
男女ともに発症はしますが、特に女性が多い(男性と比べて2~3倍)のです。
ちなみに、40代以降よりも20代、30代といった若年層が発症リスクが高いので、若い女性は特に気を付ける必要があるといえるでしょう。
参考記事:パニック障害になりやすい人の特徴と対処法
パニック発作が起きた時の対処法も重要だが「パニック発作を予防すること」も同じように重要
冒頭でも挙げた通り、パニック障害の根本的な原因は分かっていません。
しかし、パニック障害になりやすい人の特徴を踏まえると、普段の生活の中でストレスを溜めないことが重要であると判断できます。
暮らしや仕事でストレスを溜めないような工夫を行いコントロールできれば、発症のリスクを軽減させることができるかもしれません。
また、もしも発症してしまったとしても、その症状を軽減できる可能性もありえます。
ストレスを少なくするための工夫
「ストレス社会」と称されるほどの現代においては、個人ごとにストレスを溜めない工夫を行っているかと思います。
しかし、ストレスを完全に消し去ることなどできず、多くの人は徐々にストレスが溜まっていき、時折耐えられない時も出てきてしまいます。
そのため、意識的にストレスを溜めない工夫を複数行っていくことが重要だといえるでしょう。
比較的容易にできる工夫をいくつか挙げていきましょう。
①睡眠の質を高め時間を増やす
睡眠はストレスと密接に関係しています。
実際に睡眠の質が低下したり睡眠不足気味になったりすると、イライラしやすくなります。
そのため、現状よりも睡眠の質を上げて睡眠時間を増やすことでストレスを軽減することができるのです。
たった30分早く寝る習慣を付けることで、明らかにストレス量が変わってくるはずです。
・就寝1時間前からはスマホを操作しない(デジタル画面を見ない)
・入眠前に部屋の空気を入れ替える(酸素濃度を上げることで睡眠の質が上がる)
・寝る時間から逆算して入浴する(2時間前くらいがベスト)
・自分に合った寝具を使う
・就寝前にストレッチやアロマオイルなどでリラックスする
これらの工夫を行うことで、睡眠の質を上げ睡眠時間を増やすことができるはずです。
②緑のある場所に意図的に行く
都会で暮らしている人は、地方で暮らしている人よりもストレスを抱えやすいといわれていますよね。
その要因の1つとなっているのが、「緑の少なさ」です。
公園の木々や山、森林、林など、木々があると必然的に自然な緑色が目に入ってきますよね。
この「緑色」がメンタルヘルスに好影響を与えると東京大学大学院農学生命科学研究科の研究チームが明らかにしています。
そのため、休日に大きな公園に行ってみたり、キャンプをしたりなど、意図的に緑色が目に入る環境を増やしていけば、ストレスを軽減させられるわけです。
パニック障害を患っていて、なんとなく「発作が起きるかもしれない」と感じた時も、小さな公園でも良いので木が生えている場所に行き眺めることができれば、発作を予防できる確率が上がるはずです。
また、自宅の部屋の中に観葉植物を置いたり、PCデスクなどに小さめの観葉植物を置いたりしてもポジティブな効果を得られます。
まとめ
今回は、「パニック障害を予防するためのストレスの少ない暮らし」について解説してきました。
発作を起こしてしまうパニック障害は、「薬物治療」や「精神療法」で改善させていきますが、日常的にストレスを溜めないといった工夫も非常に重要となります。
パニック障害を患っている人は、ぜひここで挙げたストレスを溜めない工夫を実践してみてはいかがでしょうか?
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