日本では約100人に1人程度の割合で経験しているパニック発作ですが、何度も経験することで「パニック障害」に陥ってしまいます。
芸能人やスポーツ選手などにもパニック障害を抱えている人がいて、公表するケースもあるので世間の認知度も徐々に高まってきています。
パニック障害は様々な症状が現れるのですが、そのうちの1つが「電車に乗れない」というものです。
電車に乗ることで発作を起こしやすくなるため、通勤や通学、プライベートなどでも電車に乗ることができなくなってしまうのです。
生活の中で電車を利用する人にとっては、かなり深刻な問題であるといえるでしょう。
この記事では、そんな「パニック障害で電車に乗れない時に試したい対処法」について解説していきたいと思います。
なぜパニック障害を患うと電車に乗れなくなるのか
パニック障害を患うと、不定期で様々な症状が起こります。
- 動悸
- 発汗
- 呼吸困難感
- 口の乾き
- めまい
- 死んでしまうのではという焦りや恐怖
特に強く出る症状は呼吸困難感ですが、それ以外の症状も同時に出るケースもあります。
因みに私の場合は、強烈な嘔吐感が主症状でした。
これらの症状が原因で重篤な症状に進行するかのうせいはほとんどありませんが、呼吸がしにくい状況が続きパニックに陥ってしまうので本人にとっては非常に辛いものとなります。
電車でパニック発作が起こる原因として考えられるのは、「広場恐怖」と「予期不安」の2つです。
広場恐怖
広場恐怖とは、すぐに逃げられない状況下において大きな不安を感じてしまうことです。
- 会議室
- 試験会場
- バスや電車、車などの乗り物
- エレベーター
- 混雑した場所
これらの環境は、発作が起きそうな時に逃げ出すことができないため、非常に大きな不安を感じてしまうのです。
エレベーターは乗っている時間が短いためそれほど発作が起こる確率は高くありませんし、車の場合は路肩に寄せたりコンビニの駐車場に入ったりなどすれば外の空気を吸って落ち着けるためそれほど発作が起こる確率は高くありません。(車の場合は渋滞時に注意)
会議や試験の際も、申告すればトイレに行くことができるため比較的発作確率は高くありません。
問題は電車でしょう。
山手線のような電車であれば数分で次の駅に着くため避難できますが、次の駅まで5分以上かかる電車では、発作のリスクが高まります。
予期不安
予期不安とは、「またパニック発作が起きたらどうしよう」と不安になることを指します。
発作が起こりそうな場面でなくても「発作が起きるかも」と思うことで発作を引き寄せてしまうのです。
パニック障害で電車に乗れない時に試したい対処法
パニック発作は瞬時に改善させることができず、抗不安薬の服用などの薬物療法や認識と現実の違意を把握させる認知行動療法、避けている場所に身を置くことで改善を促す曝露療法などを継続しながら改善させなければなりません。
しかし、改善できるまで電車に乗らないというのはなかなか現実的に考えれば難しいですよね。
そのため、致し方なく電車に乗る際の対処法を覚えておくと良いでしょう。
対処法①朝は早め、夜は遅めの電車に乗る
電車が最も混み合う時間帯は、7時30分~8時30分頃となっています。
この時間帯に電車に乗ると、日中よりも大幅に混雑しているためパニック発作が起きる可能性が高まります。
もしも満員電車内で発作が起きてしまったならば非常に危険であるため、この時間帯は避けた方が無難でしょう。
朝は早起きをして6時~7時の間の電車に乗ることを心掛けましょう。
また、帰宅ラッシュも避けた方が無難です。
18時30分~20時くらいまでが最も混み合うため、早めに帰宅するか用事を入れて20時以降の電車に乗るようにしましょう。
車内で一ヶ所に留まっていると広場恐怖や予期不安を感じやすいため、電車ないで違う車両に異動するなどの工夫をすることでより発作が起こる可能性を低くすることが可能です。
満員電車では移動ができないので、やはり時間をずらして乗るという方法が非常に有効であるといえるでしょう。
対処法②薬や発作対策グッズをバックの中に入れておく
パニック発作は突然起こるケースもありますが、「まずい、このままだと発作が起きるかも」といった前兆があることが多いものです。
しかし、前兆があった際に抗不安薬などを飲んだり、発作対策グッズを持っておくことで、安心感が増し発作が起きにくくなります。
おすすめのパニック発作対策グッズは以下の通りです。
- スマホゲームで意識を逸らす
- イヤホンをして落ち着く音楽を聴くことで気持ちを落ち着かせる
- 手で握るタイプのツボ押しグッズで不安や緊張を和らげる
- ガムを噛む
このように、「発作が起きそうな時に頼るものがある」という状態でいることで、発作を予防できるのです。
まとめ
今回は、「パニック障害で電車に乗れない時に試したい対処法」について解説してきました。
パニック障害は、意外と身近な疾患であるため、いつ自身がそうした状況に陥るかわかりません。
特に身動きが取りにくい電車はパニック発作を起こしやすい場所として知られています。
もしも通勤や通学、プライベートで乗らなければならない状況になったならば、ぜひここで挙げた対処法を実践してみてはいかがでしょうか?
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