パニック障害は日常生活にも支障をきたす障害ですが、配偶者が患う可能性も十分にありえます。
自身がパニック障害でなくても、身近な人がパニック障害を患うだけでも様々な影響が自身にも及ぶものです。
もしも配偶者がパニック障害となってしまったならば、生活にどのような影響が出るのでしょうか?
また、そのような状況となったならば、どのように対処すべきなのでしょうか?
この記事では、そんな「配偶者がパニック障害の大変さと対処法」について解説していきたいと思います。
配偶者がパニック障害の大変さ
パニック障害は、発作や予期不安、広場恐怖などの症状が起こるため、仕事や日常生活にも影響が及びます。
例えば仕事であれば、勤務時間中に発作が起きて早退することも多くなるかもしれません。
症状の重さによっては休職する必要性も出てくるため、必然的に収入が減ります。
1週間、2週間といった短期間で休職から復帰するケースは稀で、多くの場合は数ヶ月単位に時間を要します。
さらには「夫婦で(子どもがいれば家族で)出掛ける場所」も気を付けなければなりません。
パニック障害を患っている人は、人混みや逃げられない状況が極度に苦手となるため、一般の人が「楽しい」と思える場所であっても苦痛を感じる可能性があるのです。
また、発作が起きた際の対処法を学んでおかなけばならない大変さもあります。
週に2~3回の発作を起こす人も多いため、傍にいる時間の長い配偶者は必ず発作の対処法を学んでおく必要があります。
「夫婦は助け合うもの」ですが、配偶者がパニック障害を患うことで負担が片方に重くのしかかってしまうのは間違いないでしょう。
配偶者がパニック障害を患った際の対処法
世の中には、パニック障害を患った配偶者と離婚をする人もいます。
パニック障害がきっかけとなり関係性に溝ができたことで離婚に至るわけですが、基本的にはできる限り寄り添ってあげるべきだといえるでしょう。
それでは、どのように対処すべきなのか、具体的な方法を挙げていきましょう。
①パニック障害が精神的な弱さが原因ではないことを理解する
配偶者がまず理解すべきなのは、「パニック障害が精神的な弱さが原因ではない」と認識することです。
どうしても精神的な弱さが原因だと思われがちで、そうした認識でいると配偶者に対して冷たく接してしまうことも多くなります。
「都合が悪くなると発作が起きそうと言う」といった間違った解釈をしてしまう可能性もあるわけです。
パニック障害はれっきとした病気であり、配偶者が理解せずに冷たく接することでより症状が悪化するリスクもあります。
そのため、まずはパニック障害がどのような疾患なのかをしっかりと学ぶことが必要です。
②発作が起きた際の対処法を理解しもしもの時は対応にあたる
配偶者がパニック発作を起こした際、知識がないとオロオロするばかりでなにもできない可能性もあります。
- 座らせるか前屈みにさせる(呼吸のしやすい体勢)
- 呼吸を深くさせる(4秒息を吸って6秒掛けて息を吐く)
- 意識を遠くに持っていかせる(「あそこの看板になんて書いてある?」というように意識を外に向かせる)
- 薬があれば服用させる
こうした対処法を理解しておけば、少なくとも自身が傍にいる時間は発作が起きても問題ありません。
配偶者も「妻が(夫が)いてくれるから今発作が起きても大丈夫」と感じてくれるはずです。
③過剰な気遣いをしない
配偶者がパニック障害だと分かると、「なんとかしてあげたい」という想いから過剰に気遣ってしまうケースも多くなります。
しかし、過剰な気遣いは逆効果となるリスクがあり、かえって精神的に傷つけてしまう可能性もあるのです。
そのため、「干渉し過ぎない」といったスタンスでいることも重要となります。
④ストレスの原因だと考えられる物事を改善させる
前述したように、干渉し過ぎることはマイナス作用をもたらす可能性もあるので、本人を前にして積極的に改善に取り組むことは避けるべきです。
しかし、本人が気が付いていない時に原因となる物事の改善に取り組むことは、積極的に行うべきだといえるでしょう。
例えば、「家事や育児の負担が大き過ぎたかもしれない」と感じたならば、少しずつでも負担を軽減させるような動きをしていきます。
明らかな原因が分かればその原因を改善すれば症状が軽減される可能性が増しますし、もしも原因が明らかではなかったとしても、「これが原因かもしれない」といった物事を1つずつ改善していくようにしましょう。
まとめ
今回は、「配偶者がパニック障害の大変さと対処法」について解説してきました。
配偶者がパニック障害になると、収入面や外出、家庭内での負担が増えるなどの大変さが増えます。
しかし、すべてではなりませんがパニック障害はしっかりと治療を行っていけば完治や症状緩和が望めます。
最も傍にいる時間が長い配偶者として、しっかり対処法を覚えておきましょう。
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