呼吸困難や吐き気、めまい、発汗、恐怖感といった症状に陥るパニック障害は、日常生活を難しくさせます。
エレベーターや電車、バスなど、逃げられない状況下で症状が突然起こる可能性があるためです。
そして、パニック障害を患っている人は「美容院に行けない人」も非常に多いとされています。
この記事では、そんな「パニック障害を患うと美容院に行けなくなる理由」と「有効な対策」について解説していきたいと思います。
パニック障害を患うと美容院に行けなくなる理由
一般的な人が何気なく通っている美容院ですが、パニック障害を患っている人からすると不安を感じる場所となります。
人によってはパニック障害を患って以降1回も美容院には行かず、自分自身もしくは家族、友人などに髪を切ってもらうケースもあります。
いったいなぜ美容院に行けないのか。
その答えは、「動けない状況が数十分間~1時間以上続くから」です。
パニック障害の特徴として、「広場恐怖」というものがあります。
これは、「不安に襲われた時に逃げられない状況となることで強い恐怖心を抱くこと」です。
美容院は、専用の椅子に座り首から下にカバーをつけるため、手が出せない状態となります。
完全に拘束されているわけではありませんが、拘束されている状態と似ているわけです。
パニック障害を患っていない人の場合は、特にその状態で恐怖心を抱くことはありません(髪を切られるだけだから)が、パニック障害を患っている人からすると、「逃げられない状態=発作が起きやすい状態」となるのです。
軽度のパニック障害であれば、20分~30分程度であればなんとか耐えられるかもしれません。
しかし、それでも「いつ発作が起こるか」といった恐怖感は常に抱えながら髪を切ってもらうことになるでしょう。
中度もしくは重度のパニック障害を抱えているのであれば、おそらく椅子に座らされてカバーを付けた段階で「まずい」と感じるはずです。
次第に呼吸が荒くなり、かなりの確率でいつ発作が起きてもおかしくない状態に陥ることでしょう。
有効な対策
前述したように、パニック障害を患っている人にとって美容院は厳しい環境であるといえます。
しかし、髪の毛は自然と生えてくるため定期的に髪は切らなければなりませんし、オシャレな髪型にしたい人も多いはずです。
そのため、以下のような対策を実践することをおすすめします。
①個人店を利用する
美容院といってもその規模は店舗によってバラバラです。
10人以上の美容師が在籍している大型店舗もあれば、1人で経営している小さな店舗も存在します。
パニック障害を患っている人は、1人で経営している個人店を利用するのがおすすめです。
店舗自体は小さくて狭いので環境的にベストとはいえませんが、他の美容師やお客さんがいないため、「発作が起きたら迷惑がかかる」といった予期不安を感じる必要がありません。
もちろん、オーナー美容師にもパニック障害を患っている事実を打ち明けておいた方が良いでしょう。
相手が1人であれば、打ち明けやすいはずです。
美容師からすると大事なお客様なわけですから「少しでも発作が起きそうになったら行ってくださいね」と優しく接してくれたり、場合によっては一度休憩を挟んでくれるかもしれません。
お客様想いな美容師であれば、「発作が起きた際の対処法」などの知識を調べてくれるかもしれません。
「この前発作が起きた時の対処法を勉強してみました」なんて言ってくれたならば、「もし発作が起きたとしても大丈夫」と思うことができますよね。
ちなみに私(サイト運営者)の場合は、パニック障害に理解ある個人店を見つけることができたおかげで、かなり救われた経験があります。
②訪問美容を利用する
2つめの対策は、「訪問美容」を利用することです。
ネットで調べてみると、意外と自宅などに訪問して神を切ってくれる美容師が多いことが分かります。
費用自体は出張費用が含まれるためどうしても高くなりますが、慣れている自宅で髪を切ることができるというのは、パニック障害を患っている人にとっては非常に大きなメリットであるといえるでしょう。
もちろん、その際もパニック障害を患っている事実をしっかりと伝えておくべきです。
伝えておけば、もしも発作が起きそうになったとしても焦らせることはありませんし、対処法をある程度勉強してくれるかもしれません。
技術があり気の合う美容師と巡り会うことができれば、長年お任せできるはずです。
まとめ
今回は、「パニック障害を患うと美容院に行けなくなる理由」と「有効な対策」について解説してきました。
オアニック障害は日常生活に大きな影響を及ぼす疾患であり、美容院に行くのもリスクが生じます。
1~2ヶ月に1度くらいのペースで美容院に通う人も多いですが、パニック障害を抱えているとなかなか通うことはできません。
もしも諦めて自身で鏡を見ながら切ったり家族などに切ってもらっている人は、ぜひここで挙げた対策を実践してみてはいかがでしょうか?
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