パニック障害を改善させるために有効となるポリヴェーガル理論とマインドフルネス

胡坐をかき瞑想する男性 コラム

パニック障害を改善したいと考えている人は多いかと思いますが、残念ながら簡単に治せるものではありません。

しかし、最近ではこれまでとは違った新たな視点でパニック障害を捉え、パニック障害の改善に活かす方法も注目されてきています。

ポリヴェーガル理論を最大限に利用したマインドフルネスを実践することで、パニック障害を改善に向かわせるのです。

この記事では、そんな「パニック障害を改善させるために有効となるポリヴェーガル理論とマインドフルネス」について解説していきたいと思います。

ポリヴェーガル理論とは

それではまず、「ポリヴェーガル理論」について具体的に解説していきましょう。

神経科学者であるスティーブン・ポージェス博士が1994年に提唱した自律神経に関わる理論となります。

一般的に自律神経といえば、「交感神経」と「副交感神経」の2つから成り立っていると認識されていますよね。

興奮や集中といった時に優位になるのが交感神経で、安静やリラックス時に優位になるのが副交感神経なのですが、このポリヴェーガル理論では副交感神経がさらに2つの種類に分かれていると考えられているのです。

それぞれどのような物なのかを挙げてみましょう。

①背側迷走神経複合体

「背側迷走神経複合体」は、横隔膜から下の臓器を調節する役割を持っています。

横隔膜から下の感覚情報を脳幹に正確に伝えることにより、生命維持を図っています。

要するに、生命の危機に陥った際に動かずにやり過ごすという「不動」を作り出している役割となります。

②腹側迷走神経複合体

「腹側迷走神経複合体」は、横隔膜より上の臓器に深く関わっています。

交感神経が優位になった時の攻撃性をコントロールします。

  • 人のいる場所でも緊張しないでいられる
  • 喜怒哀楽など感情のコントロールができるようになる
  • 問題解決をする意欲を生み出す

パニック障害を改善させるためには、「耐性」を付けることも重要

パニック障害の治療には、抗うつ薬の処方による「薬物療法」とカウンセリングなどによる「認知行動療法」、そして広場恐怖を感じている場所などにあえて身を置き慣れさせていく「曝露療法」などがあります。

この「曝露療法」は、要するに耐性を付けることでパニック障害を改善させていくという方法です。

しかし、曝露療法はポジティブな影響が及ぶ可能性がある反面、さらに症状を悪化させてしまう可能性のある方法だともいえます。

そのため、腹側迷走神経複合体を上手に活用し、「怖さはあるけど大丈夫」と思えるような精神状態を作る必要があります。

例えば、パニック障害では電車に恐怖を感じる人が非常に多いですが、慣れさせるために無理やり何駅も耐えようとしてはいけません。

まずは1駅だけ乗り、「恐怖を感じながらも乗り越えられた」といった成功体験を重ねることで耐性領域が少しずつ広がっていくわけです。

2駅、3駅と移動する距離を増やしていきながら、パニック障害を改善させていくのです。

マインドフルネスを利用しストレスの軽減や自己コントロールを高める

現代では、「マインドフルネス」を活用して精神的な安定を図っている人が多く存在します。

マインドフルネスの時間を設けている一流企業もあるほどです。

この時、腹側迷走神経複合体を活性化させることでマインドフルネスの効果を最大化させることができます。

腎臓あたりに手を当てるだけでも良いですし、手をグー、パーと開くだけでも腹側迷走神経複合体を刺激できます。

さらに、笑顔を作るだけでも刺激することができるので、マインドフルネスの前に実践してみましょう。

マインドフルネスの効果を最大化させることができれば、ストレスが軽減され、自己コントロール力もUPするため、パニック障害を改善させるための曝露療法もしやすくなるはずです。

ただし、うつを患っている人はマインドフルネスを行うことで逆効果となってしまう可能性があるため、マインドフルネスを行わないようにしましょう。

マインドフルネスのやり方

最後に、具体的なマインドフルネスのやり方を説明しましょう。

簡潔にいえば、「今」に集中することです。

①楽な姿勢で座る(背筋は伸ばす)

②自分自身の呼吸に意識を向ける

③頭の中に浮かんだ思考を呼吸に集中することで遠ざける

基本的にはこの手順で行うことでその効果を得ることができます。

呼吸法は4秒間かけて吐き、7秒間息を止めて8秒間かけて吸います。

「4・7・8呼吸法」と呼ばれています。

この呼吸法を行うことで、ストレスを軽減させる効果があるとされています。

また、片方の鼻を指で塞ぎ、空いている片方の鼻で呼吸をする「片鼻呼吸法」もおすすめです。

自律神経を整える効果が期待できます。

まとめ

今回は、「パニック障害を改善させるために有効となるポリヴェーガル理論とマインドフルネス」について解説してきました。

パニック障害の治療、改善には「薬物療法」「認知行動療法」「曝露療法」などが必須となります。

また、マインドフルネスを実践することでより曝露療法の効果も高まることが可能です。

そんなマインドフルネスの効果を最大化させるポリヴェーガル理論をぜひ意識してみましょう。

きっとパニック障害の症状を和らげることができるはずですよ。

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