パニック障害を患ってしまうと、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
そのため、早期に治療を開始して完治や症状改善に向けて動き出すべきだといえるでしょう。
病院での治療はもちろん重要ですが、自分自身でも改善に向けて取り組むことができれば、より改善できる可能性を高めることができます。
そこでおすすめなのが「アドラー心理学」です。
アドラー心理学を知り自身の生活に活用することで、パニック障害にポジティブな影響を与えることができます。
この記事では、そんなパニック障害に有効な「アドラー心理学」について解説していきたいと思います。
パニック障害の原因はストレスが大きく関わっている
パニック障害という疾患は長らく知られていますし、日本でも100万人以上の人が患うといわれています。
しかし、実際には「なぜパニック障害が発症するのか」という原因は正確に解明されていないのです。
原因が分からなければ、改善するのも難しいものですが、間違いなく「ストレス」が大きく関わっているのは確かだといえるでしょう。
要するに、パニック障害を改善させるには病院での治療の他に「ストレスを溜めない生活環境」がとても重要となるわけです。
アドラー心理学がパニック障害に有効であると考えられる理由
冒頭でも挙げた通り、パニック障害には「アドラー心理学」が非常に有効です。
そのため、このアドラー心理学を良く理解し、実際の生活に役立てることを強くおすすめします。
心理学における三大巨匠の1人でもあるアドラーは、「自己啓発の父」と呼ばれています。
具体的にアドラー心理学がどのような好影響をもたらすのか挙げていきましょう。
①自己決定性
アドラー心理学では、「5つの理論」が基本となります。
現在の状況がどのようなものであっても、「自分がどうしていくべきなのかを決定し行動できれば幸福を掴める」と考えます。
これが「自己決定性」です。
人間が幸福になるためには、「コントロール感」が非常に重要となります。
たとえ他者が羨むような暮らしをしていたとしても、他者に決められたことをただこなすだけの毎日では幸福感を感じることはできないのです。
「自分の人生を自分でコントロールしている」という感覚こそが幸福やストレスの少ない暮らしに繋がるわけです。
②目的論
2つめが、「目的論」です。
人が行動する時、そこには必ず目的があるという考え方をアドラーは持っています。
パニック障害を患うと、「なんでパニック障害になんてなってしまったんだ」と原因にフォーカスしてしまいがちです。
しかし、「日常生活を他者と同じようにこなす」という目標を掲げることで、やるべきこと(しっかりした治療や自己啓発など)が見えてくるのです。
過去よりも未来を重要視するため、アドラー心理学は「未来志向の心理学」と考えられています。
③全体論
3つめは「全体論」です。
人は何事も分割して考える習性がありますよね。
パニック障害を患っている時も、「本当の自分は強いのに、パニック障害を患ったからうまくいかないんだ」と切り離して考えがちです。
しかし、アドラーは全体として捉えるべきだと考えています。
パニック障害を患っている自分と本来の自分を分けて考えないことも非常に重要であるといえるでしょう。
④認知論
4つめは、「認知論」です。
「正しい認知」は何事においても重要ですよね。
「パニック障害を患っているからなにもうまくいかない」と考えてしまいがちですが、それは単なる思い込みとなります。
治療や改善のための行動、そしてパニック発作にならないための予防策などを用意すれば、うまくいかない時間を極力減らすことが可能です。
そうした意味では、客観的に自分を捉えることは手も重要だといえるでしょう。
⑤対人関係論
5つめは、「対人関係論」です。
ストレスの大きな要因となるのが「対人関係」ですよね。
パニック障害を患っている人の中にも、対人関係のストレスが大きな要因となっているケースもあるはずです。
対人関係で問題が生じると、人は「合わない人」と大まかに認識し、なるべく距離を取ろうとします。
しかし、アドラー心理学では、合わない人が他者とどのように接しているかを良く観察するべきだと考えます。
そうすることでなぜ合わないのかが理解できるようになり、対処法も見えてくる(結果的にストレスが軽減される)のです。
まとめ
今回は、パニック障害に有効な「アドラー心理学」について解説してきました。
ここで挙げたアドラー心理学の5つの理論は、パニック障害に対しても有効な考え方であるといえます。
最後にもう1つだけアドラー心理学のポイントを挙げておきましょう。
アドラー心理学では、自分をありのまま受け入れる「自己受容」や協力してくれる人がいるという「他者信頼」、他者に貢献できているという「他者貢献」が幸福に繋がるとも主張しています。
「パニック障害だから」とネガティブに考えるのではなく、自己受容や他者信頼、他者貢献といった個とも意識しながら暮らしていくことで、ストレスを軽減させることができるはずです。
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