パニック障害を患うと、日常生活のあらゆるシチュエーションで支障をきたしてしまいますが、「車の運転」にも支障が出ることもあります。
いったいなぜ車の運転に大きな支障が出るのでしょうか?
また、車の運転時に発作が起きないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
この記事では、そんな「パニック障害で車の運転が困難になる理由と対処法」について解説していきたいと思います。
パニック障害で車の運転が困難になる理由
まずはなぜパニック障害を患っていると車の運転が困難になるのでしょうか?
その答えは、「広場恐怖を感じるから」です。
車の運転中は、当然ながら車内でハンドルを握りますよね。
長時間車内にいる状況はパニック障害を患っている人にとっては好ましくない状況となります。
なぜならば、「広場恐怖」を感じてしまうからです。
広場恐怖とは、逃げられない空間にいることで大きな不安感を感じることで、車だけでなくエレベーターや歯医者、美容室、会議室、バス、電車などでも恐怖を感じるようになります。
車はいつでも自分の意志で降りることができるので、あまり広場恐怖を感じないようにも思えますが、高速道路を走行していたり、渋滞に巻き込まれたりするとすぐに車から降りることができないため、広場恐怖を感じてしまうこともあるのです。
エレベーターやバス、電車の場合は、自身で運転しているわけではないためすぐにうずくまったり周囲に助けを求めたりできますし、美容室や歯医者などでも「ちょっとすみません気分が悪くなってしまって」と申告することで場所を移動することも可能ですが、車の場合はそうはいきません。
高速道路を運転している時に発作が起きてしまうと重大な事故につながる可能性が増しますし、渋滞中に発作が起きてしまうと渋滞をさらに悪化させてしまう原因となってしまいます。(1人で運転している場合は助けてくれる人もおらず危険)
このように、車はパニック発作を起こしやすい環境であると同時に、起きてしまうと大きなトラブルに発展するリスクがあるため、パニック障害を患っている人は安易に車の運転をすることができないわけです。
パニック障害の人が車の運転をする際の対処法
前述した通り、パニック障害を患っている人にとって車の運転はリスクのある行動となります。
しかし、都会に住んでいるならばバイクや電動自転車での移動といった選択肢もありますが、都会以外で暮らしている人たちは生活に車が必須であるケースが多いでしょう。
致し方なく車の運転をすることになりますが、その際は何かしらの対処法を用意しておくべきだといえます。
対処法を用意せずに運転してしまえば、いつか大きなトラブルが起きてしまうでしょう。
それでは、どういった対処法が有効なのか、具体的に挙げていきましょう。
①不安に感じるシチュエーションをリストアップする
「車の運転」という大きな括りで捉えてしまうと、「車の運転をすると発作が起きるかもしれない」と感じてしまいます。
しかし、実際には運転している時でも不安を感じないシチュエーションがあるはずですし、逆に「このシチュエーションは不安が大きくなる」といったこともあるはずです。
- ○○分以上運転していると不安が増してくる(○○分以内なら不安にならない)
- 1人で運転していると不安になる(助手席に誰かいれば不安に感じない)
- 通勤や帰宅ラッシュで渋滞気味になると不安になる(日中の道路では不安を感じない)
- 一般道では大丈夫だが高速道路では不安になる
このように、様々なシチュエーションを試すと、不安になる時とならない時がはっきりと判別できるようになります。
不安にならないシチュエーションであれば運転可能と判断できるため、車にまったく乗れない状況を避けることができます。
②運転支援機能が付いた車種にする
近年では、車の運転に慣れていない人や高齢者であっても安全に運転が可能となる「運転支援機能が付いた車種」が多く販売されるようになりました。
パニック障害を患っている人は、運転中に発作が起きて重大な事故を起こしてしまうリスクがあるため、こうした車種を購入するという選択肢がおすすめです。
レーダー搭載でハンドルやアクセル、ブレーキの補助を行ってくれる車種をいくつか挙げてみましょう。
- ・三菱 ekクロス
- ・トヨタ カローラクロス
- ・トヨタ シエンタ
- ホンダ N-WGN
- 日産 スカイラインセダン
- ホンダ ステップワゴン
- ホンダ フリード
- 日産 セレナ
- トヨタ ヴォクシー
- スバル フォレスター
- マツダ CX-5
ここで挙げた以外にも様々な車種で運転支援機能が付いているので、そうした車種に乗り換えることで安心感が大幅にUPし発作が起きにくくなるはずです。
まとめ
今回は、「パニック障害で車の運転が困難になる理由と対処法」について解説してきました。
車の運転では、広場恐怖を感じる可能性があるため、発作につながりやすくなります。
住んでいる地域的に車の運転が必須な人は、「不安に感じるシチュエーションをリストアップすること」や「運転支援機能が付いた車種にする」といった対処法を実践してみましょう。
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