パニック障害を抱えながら受験を乗り越えるために必要な対策

学生が泣きながらしゃがみこんでいる コラム

10代の子どもの中にもパニック障害を抱えている子はとても多く存在します。

普段の学校生活でも困難な場面があるかと思いますが、「受験」となるとさらに困難さが上がりますよね。

精神的にも追い込まれますし、受験会場に多くの生徒が集まり、一定時間その場所に居なければならない環境は、パニック障害を抱える人にとってはかなり過酷であるといえます。

この記事では、そんな「パニック障害を抱えながら受験を乗り越えるために必要な対策」について解説していきたいと思います。

受験がパニック障害者にとって厳しい理由

まず最初に、「なぜ受験はパニック障害を抱える人にとって厳しい環境なのか?」を考えてみましょう。

冒頭でも挙げましたが、やはり「精神的ストレス」と「受験会場の環境」が大きな理由となるはずです。

受験は一発勝負であり、志望校に合格できなければ進路はもちろんその後の人生にも影響を及ぼします。

それほど影響力のある一発勝負ゆえに、そのプレッシャーは計り知れません。

さらにそのプレッシャーが半年以上(人によっては1年以上)続くわけですから、精神的なダメージは相当なものです。

受験のプレッシャーからパニック障害やうつ病を発症させてしまう人もいるほどです。

さらに、受験会場という特殊な空間もまたパニック障害を抱える人にとっては困難な環境となります。

一応テスト中もトイレには行けますが、大きなタイムロスとなるためなかなかトイレに行くことは難しいですよね。(漏らさない程度に我慢する人がほとんど)

それゆえに、パニック障害を抱えている人にとっては「逃げられない空間」となるわけで、これは完全に最悪な環境となるわけです。

大きなプレッシャーと広場恐怖、予期不安のため、発作を起こしやすくなります。

パニック障害を抱えている人が行うべき受験対策

受験対策は、勉強以外の部分も入念に行わなければなりません。

特にパニック障害を抱えている人は、テスト中に発作が起きないような個別の対策が必須となります。

事前に薬を服用するのも大きな対策となりますが、具体的にそれ以外の有効な対策をいくつか挙げてみましょう。

①なるべく自宅の机以外で勉強する

受験生の中には、「自宅が一番集中して勉強できる」という子も多いことでしょう。

静かな環境なので、集中しやすいのは間違いありません。

しかし、受験会場では「他者の咳払い」や「ペンで書き込んでいる音」など様々な音が聞こえます。

BGMのない空間でそうした音だけがする特殊な空間となるため、自宅で勉強している環境と違いすぎて精神的なプレッシャーがより大きくなってしまうのです。

そのため、普段から自宅以外の場所で勉強をする機会を作っておくことをおすすめします。

様々な場所で勉強することで、どんな場所でも集中できるようにしておくわけです。

特に図書館や自習室での勉強は、比較的受験会場と雰囲気が似ているためおすすめです。

もしもお子さんが普段から自宅で勉強する習慣となっているならば、ぜひ様々な場所で勉強をする用に促してあげましょう。

②発作が起きそうな時の対処法を用意しておく

実際に発作が起こりそうな時に、薬以外の対処法(予防法)を持っていると、精神的にも楽になれます。

おすすめは「呼吸法」です。

ガムや飴はテスト中はNGですが、呼吸であれば何も使わずに行えるからです。

特におすすめは「4-7-8呼吸法」です。

4カウントかけて鼻から息を吸って、7カウント息を止めます。

その後8カウントかけて口から息を吐きます。

これを4~5回繰り返すことで、精神的に落ち着かせることができるのです。

テスト中は頭をフル回転させているので、カウントする意識がなかなか持てないかもしれないため、手を止め集中して2回ほど「4-7-8呼吸法」を実践するだけも良いかもしれません。

この他にもいくつか対処法を持っておくと、精神的な余裕が生まれて発作が出にくくなることでしょう。

参考記事:パニック発作を和らげる呼吸法|効果的な手順とその実践方法

③英検や数検、漢検などの検定を受けて慣れておく

受験の環境は特殊ではありますが、前もって似たような環境を体験することもできます。

それは、英検、数検、漢検などの検定試験です。

試験の経験を多く積むことで、試験という特殊な環境に慣れることができます。

受験の特別感を少しでも軽減できれば、パニック発作が起きる可能性も下げることができるはずです。

まとめ

今回は、「パニック障害を抱えながら受験を乗り越えるために必要な対策」について解説してきました。

受験は健康的な子どもでも精神的に厳しいものですが、パニック障害を抱えている人からするとより困難なものとなります。

今年度の受験シーズンは終了しましたが、今後受験の予定がある方やその親御さんはぜひここで挙げた対策を実践してみてはいかがでしょうか?

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