一度でもパニック障害になったことがある人であれば、発作がどんなに辛いことなのかを知っていることでしょう。
まだまだ理解されないことも多いですが、確実に一昔前よりもその認知度は上がってきています。
パニック障害にを患うと、「引きこもり」になる確率がかなり上がるといわれています。
いったいなぜ引きこもりが多発してしまうのでしょうか?
この記事では、そんな「パニック障害を患うことで引きこもりになる確率が上がる理由」について解説していきたいと思います。
パニック障害の人が引きこもりになりやすい理由
実際にパニック障害を患っていることで引きこもりになる人は多いですが、その理由には共通点があります。
具体的に挙げていきましょう。
パニック発作や広場恐怖、予期不安を強く感じるようになるから
パニック障害には、「パニック発作」と「広場恐怖」「予期不安」といった3つの症状があります。
最も分かりやすく辛いのが、息苦しさや動機などが起こるパニック発作です。
その頻度や重さは人によって様々で、毎日のように発作を起こす人もいますし、週に2~3回程度である人もいます。
生命の危機を感じるほどの息苦しさなどを伴うため、自宅から出る気分になれないケースが多くなります。
発作の強さは、発症したばかりの頃は非常に強くなる傾向にありますが、慢性期に入ると少しずつ症状の重さが軽くなっていく傾向にあります。
また、エレベーターの中や電車の中、屋外でも人混みの中など逃げ場のない状況下に強い恐怖を感じる広場恐怖もあるため、パニック障害を患う人にとって外出は発作が起きるリスクを大きく高めることになります。
そして、「また発作が起きるかもしれない」と感じる予期不安を常に抱えながら暮らしていくことになるので、余計に自宅から出る勇気が湧かなくなるのです。
恐怖心からうつ病などを併発してしまう
パニック障害を患っていると、前述した理由から引きこもりがちになりますが、その期間が長くなると自己肯定感も低くなっていき「うつ病」を発症するケースも多くなります。
また、うつ病の他にも強迫性障害やアルコール依存、社会恐怖などを患ってしまうケースも多いです。
パニック障害だけでも引きこもりになる可能性が高まるにもかかわらずうつ病などの精神疾患を併発すれば、より引きこもりの確率が高まるのは当然ですよね。
パニック障害から「不定愁訴」になることで引きこもりに発展するケースも多い
パニック障害で自宅に引きこもる年数が1年、2年と増えていくと、「不定愁訴」の症状が現れてきます。
不定愁訴とは、「なんとなく体調が悪い」という自覚症状が続くものです。
検査をしてみても病気が見つかるわけではなく、症状にも波があり日常生活に支障が出るケースも多くなります。
パニック発作でもないのに息苦しさや動悸を感じることもありますし、イライラ感や不安などを感じることも増えます。
この状態になると、なかなか引きこもりから抜け出すことができなくなります。
引きこもりから抜け出すためには治療が必要
引きこもりは、様々なデメリットを引き起こします。
- 日に当たる頻度が極端に少なくなるため免疫力が低下する
- 運動不足により筋力が低下する
- 照明やエアコンなどが必須となるため電気代がかかる
- 人と話す機会が極端に減るためコミュニケーション能力が低下する
- ネガティブ思考になりやすい
このように、複数の明らかなデメリットがあるため、できるだけ早期に引きこもりから抜け出すための対応が望まれますが、だからといって急ぎすぎてはいけません。
まずは現状のままでもOKなので、「早寝早起きなど規則正しい生活を心掛ける」といった基本的な生活ができるように促していきます。
次に、「パニック障害の治療だけでも良いので外出すること」を目標にします。
薬物療法や運動療法、精神療法などを進めながら、本当はいかなければならない場所(学校やバイト、会社など)ではなく、何かしらのコミュニティ(趣味でも友達でもOK)への参加を少しずつしていきます。
このように段階的に改善していくことで、引きこもりから抜け出せる確率を少しずつ上げていくわけです。
引きこもりから抜け出すためには、必ず治療が必要であることを理解しておきましょう。
まとめ
今回は、「パニック障害を患うことで引きこもりになる確率が上がる理由」について解説してきました。
パニック障害を患うと、パニック発作や広場恐怖、予期不安を強く感じるようになりますし、うつ病などを併発してしまうこともあるので引きこもりの確率が上がります。
引きこもりはデメリットも多いため、早めに抜け出したいところです。
ただし急ぎ過ぎは禁物です。
時間をかけてここで挙げた改善方法を徐々に実践していき、引きこもりから抜け出せるようにしていきましょう。
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