【体験談】パニック障害で常に不安がつきまとっていた吐くことへの恐怖

手を伸ばし助けを求めている パニック障害の体験談

私が初めてパニック障害を発症したのは通勤電車の中でした。

急な動悸と強烈な吐き気に襲われ、それ以来この発作は電車内のような物理的にすぐ逃げることができない閉所空間だけに留まらず、次第に自分の意思でいつでもその場から自由に行動をすることができない、行動するにもその場の誰かにそのことを伝えなくてはならない場所などでも症状がでるようになっていきました。

どんな場所で症状が出るのか?

私の場合でいえば美容院、歯科、飲食店、会社のミーティングルーム、病院の待合室など…。

広場恐怖

この不安に襲われた時にすぐに逃げられない場所や空間にいることで不安や恐怖を感じることを「広場恐怖」といいます。

私は、パニック障害の中でも、この広場恐怖に24年間悩まされていました。

吐くことの恐怖

そのすぐに逃げられない特定の場所や空間で何が不安だったか?

それは「吐く」こと。

「この場で吐いてしまったらどうしよう、恥をかくことになる」

この吐くという行為自体を恐れる、その行為を目撃する、他人の前で嘔吐すること恐れることを「嘔吐恐怖」といい、似たような症状で他人との食事に不安、緊張感を抱えてしまい、その場を回避することを「会食恐怖」といいます。

何れも他人にどう思われるかという心理状態は同じですが、私の場合は他人との食事の場面限定でこの症状があったわけではなかったので、嘔吐恐怖が強く、総じて広場恐怖へ繋がっていきました。

人に理解してもらえない

一見、多くの人には理解しがたいこの症状。

事実、発症当時に妻にこのことを告げても

「気持ち悪くなったら、トイレに行けばいいだけでしょ」と言われたくらいなので…。

理屈では分かっていても一度インプットされた恐怖体験が頭から離れず、その不安な想い通りに特定の空間や場所で症状は出続け、自分の意思ではどうにもならい状態になっている。

そう伝えてもなかなか理解してもらえない。

まあこれが普通の感覚です。

吐くことで恥をかきたくない

この不安、恐怖がずっと根底にあって、如何にして吐くこと、恥をかくことのリスクを避けられるか、常にそのことを考えて生活していました。

外出予定がある時の食事は、帰宅してからの1食のみ

ですので、仕事も24年間のパニック障害歴で15回転職をしていますが、発症時と完全克服した後に就いた仕事以外に就いた全ての職は、一人で完結できる仕事を選びました。

また、吐くこと恥をかくことへのリスクを無くすために、外出が必要な仕事の際は、食事は朝昼はとらず、帰宅してからの1食のみ。

仕事以外でも必要迫られ外出するときも、家に帰るまで食事はとりませんでした。

言ってしまえば、恥をかくことに比べたら食事をとれないことなど私にとっては然して問題ではなかったのです。

今思い返してみても不健全な生活習慣でしたが、恥をかくことへの恐れと抵抗感がどうしても拭えなかったことと、大げさではなく生きていくためにはこの方法しか思いつかず、24年間もこんな生活をすることになってしまいました。

様々な療法は根本解決には至らず

もちろん、その間治療を何もしなかったわけではなく、服薬、各種行動療法、民間療法、メンタルセラピーなど、他にも様々なことを試してみましたが、都度多少の改善はあったものの、常に心の中には吐くこと、恥をかくことへの恐怖心があって、核の部分は何も変わらないまま上塗りだけ重ねているような心境でした。

だからといって私が受けた様々な療法を否定しているわけではありません。

たまたま私には効果がなかった、もしくは私の治療の受け方が間違っていただけかもしれませんので。

まとめ

分かっちゃいるけどどうにもならない、パニック障害だけではなく、様々な神経症や癖(ヘキ)でもいえることと思いますが、そのことを変える、克服することが容易でないことは経験上よく理解しているつもりです。

自己努力だけでは克服することが難しい、分かっちゃいるけどどうにもならない心の癖。

現在、改善の兆し見えず克服の手立てに行き詰っている、そんな悩みをお持ちでしたら、一つの克服体験として、私がパニック障害を完全克服した方法(以下参考記事)をご一読いただければと思います。

参考記事:パニック障害を完全克服したきっかけとなった書籍の紹介

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